2015年10月4日日曜日

「あと一口食べなさい」はNG?直感的食事法という考え方

私もそうですが、子どもがごはんを残すと、栄養も心配ですし、正直なところ「せっかく作ったのにもったいない…」と、ついつい「あと一口」なんて、言ってしまいます。

最近、海外の食育専門家の意見で"intuitive eating(直感的食事)"という言葉を目にするようになりました。本来ヒトは、お腹が空いたら食べるものですが、実際は必ずしもそうではないですよね。


お腹が空いていなくても、ごはんの時間だから食べる、ストレスで食べる、残すと勿体ないからお腹がいっぱいなのに無理して食べるなど、普段の生活では当たり前のようにしてしまいます。でもそういう食習慣が実は暴飲暴食や偏食の原因となっていて、健康を維持するには、もっと自分のお腹具合を敏感に察知して(直感)、何をどれぐらい食べるべきか、自分でコントロールできなくてはいけないと考えられるようになってきました。

子どもは本来、お腹がいっぱいになって、いらなくなったら、食べるのをストップするもの。それなのに、大人が「あと一口」と無理強いすることは、子どもにプレッシャーをかけ、自分でコントロールする自由を奪っていると、専門家は言います。

最近、海外の子育て関連記事を読んでいると、やけに子どもに食べろとプレッシャーをかけてはいけない的な内容を目にすると思ったら、これのことだったのか、とやっと話がつながりました。

つい先ほどmamanokoに投稿した記事に、この"intuitive eating"と、「あと一口」の代わりに使える声掛けについて書いたので、こちらでも一部ご紹介したいと思います。


子どもが食事を全部食べ切らずに「ご馳走様」と言ったら


1.「お腹はどんな感じ?」

まずはこの質問をして、自分のお腹の満腹具合を意識させる癖をつけましょう。もしそこでお腹がいっぱいと言ったら、無理強いしません。「本当はもうちょっと入るけど」などの答えだった場合は次の2の質問をします。


2.「≪いつ≫まで食べられないけど、本当にご馳走様で大丈夫?」

まず、大前提ですが、直感的な食事と言っても、食欲の赴くままに食べることではありません。規則正しい生活パターンの枠組みの中で、自分のお腹具合が常に無理のない状態であるようにコントロールすることです。

従って、子どもがご馳走様と言った時に、気まぐれや「お腹すいたら何かもらえる」という気持ちがないように、次に食べられるのはいつで、それまでは食べられないということをきちんと伝えて約束することが大切です。


3.「どうしたら、もっと美味しくなると思う?」

子どもが手を付けない食べ物があったら、こう聞いてみましょう。ケチャップをかける、ドレッシングをかけたい、ごはんとお肉を別にしたいなど、様々な答えが返ってくると思います。

これを考えさせることで、食べにくいものを工夫して食べる習慣がつきますし、自分で考えたアレンジなら、チャレンジしてみる気になりやすいものですよね。


4.「今日はデザートと一緒に食べてみる?」

個人的にはちょっと違和感があったのですが、これも最近海外の記事でよく目にする方法です。なんでも、全部食べたらデザートが食べられる、とすることで、デザートはご褒美や特別なものだという意識を子どもに植え付けてしまうとか。

ところが、同じタイミングで出し、他の食べ物と同等に扱うことで、デザートも食事の一部だという意識になり、不思議と他のおかず類もきちんと食べるようになると言うんです。

違和感があるとはいえ、実はちょっと心当たりがあります。

外食でキッズメニューを頼むと、ゼリーやプリンがごはんやおかずと同じプレートに載ってくることがありますよね。私はいつも、子どもが「先に食べたい」と言わないように、運ばれてくると同時に「ごはんの後でね」と、目にふれないところに遠ざけていたんです。

ある時、下の娘が一通り食事をして、2割ほど残した状態で、「お腹いっぱい」と言ったので、ゼリーを渡しました。

娘はゼリーを美味しそうに食べると、なぜか再びお皿に残ったハンバーグをごはんを食べ始め、結局全て食べ切ったんです。

大人にしてみると、間にデザートをはさむのはちょっと不思議な感覚ですが、大食いタレントが途中でアイスを頼んで口直ししたり、フルコースの途中にグラニテが出てくることを思うと、もしかしてアリなのかな、と思います。


5.「今日は自分の分を自分でよそってみる?」

自分の食べたい分だけ自分で盛り付けられるなんて、まさに自分の食事をコントロールすることになりますよね。

実はこれ、今日の夕食に娘たちに実際に言ってみたんです。

うちは食卓に大皿で出すのではなく、各自のお皿に事前に取り分けておくスタイルなので、おかずが出来上がった時に、娘たちを順番にキッチンに呼んで、「自分が食べる分だけよそってごらん」と言いました。

よく食べるけれど、たまに残すことがある3歳の娘は、私が普段よそうよりもやや多めの量を、普段から食欲旺盛でちょっと食べ過ぎが気になっている上の娘は、私が盛り付ける半分の量をお皿に入れました。そして、二人とも私が何も言わなくても、きれいに完食しました。

普段私が取り分けている量とここまで差があったことを知って、とても貴重な経験でした。私が勝手に判断して盛り付け、全部食べることを期待していたことにとっても申し訳なく感じました。



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私もどちらかと言うと「あと一口」と言われて育った方ですが、(自分で言うのもなんですが)食生活に対する意識は高い方だと思っています。

なので、「あと一口」と子どもに言うことで、自分に関しては悪影響は感じていないのですが、本当に食が細い子だったら、そのプレッシャーによって、食べること自体が嫌いになったり、摂食障害になったりする原因にもなりかねないかもしれませんね。

何よりも、今日は、自分の子どもたちが自分で必要な量を見極められたことがとても新鮮でした。

自分で盛り付けさせれば、そもそも無理強いする必要も少なくなります。

これから、しばらく続けてみようと思います。






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