2015年10月28日水曜日

読み聞かせは父親がした方が効果があるという研究結果

絵本の読み聞かせをすることで、子どもの言語能力や思考能力などが向上することは、既によく知られています。

私がもともと絵本を読んであげるのが好きだということもありますが、我が家も図書館に週に1回は通い、色々な本を子どもたちに読み聞かせています。だいたい、どこのご家庭も、パパよりもママが読み聞かせをすることが多いのではないでしょうか。

絵本の読み聞かせに関して、ハーバード大学の米ハーバード大学のElisabeth Duursma博士(現在はオーストラリアのウーロンゴン大学に勤務)が行った研究が発表され、話題になっています。

その研究では、アメリカの低所得者世帯430組の読み聞かせについて調査し、父親と母親が読み聞かせをした場合、子どもの能力の発達にどのような差が出るのかを見ました。ほとんどの世帯で読み聞かせは母親が行っていることが多いものの、約55%の父親が少なくとも週に1回のペースで読み聞かせをしていることが判明。そして、父親が読み聞かせをしていた子どもの方が、3歳時点での言語能力が高かったそうです。

母親の読み聞かせは無駄なのか、というとそういう訳ではなく、思考や問題解決など、いわゆる認知能力の向上については、読み聞かせが父親であっても母親であっても、同じような効果があったそうです。

では、なぜ父親の読み聞かせの方が効果があるなんていう、結果になったのかと言うと、一番の理由は絵本を読んだ時に子どもに対してする質問に男女の差があるんだそうです。

母親は「りんごはいくつある?」などの正解が明らかで、一言二言で終わるような質問をするのに対して、父親は「あ、これはハシゴだね。この間、トラックの上にハシゴがあったのを覚えてる?」などと、会話がふくらむような質問をする傾向があるんだとか。それが、結果的に言語能力の向上につながっていると研究では結論づけています。

ということは、父親か母親かではなく、むしろ絵本を読む時にどんな質問をするかが重要ということですね。

さて、ここまで読んで、「え?絵本を読みながら質問するの?」と疑問に思う方も多いはず。なぜなら、日本では、絵本の途中に子どもに質問をしたり、読んだ後に感想を聞いたりするのは、子どもが絵本の世界に浸っているのを邪魔するため、してはいけないタブーだという考え方が浸透しつつあるからです。

でも、実はアメリカではその逆。アメリカの教育省ウェブサイトにも「絵本の読み聞かせをする時には、子どもの実生活との関連性を意識しながら、絵本の中に何が描かれているのか、お話の続きはどうなると思うかなど、積極的に質問するのが良い」と書かれているほどです。

googleで"read-aloud""question""children"などと検索すると、それに否定的な意見はほとんど見られず、むしろ読み聞かせのポイントとして挙げられているサイトばかり見つかりました。

ということで、絵本について、子どもに質問するかどうかは、日米で意見が分かれるところなのかもしれませんが、まことしやかに「子どもが絵本の世界に浸っているのを邪魔しないために、読んだら読みっぱなしで、何も質問はすべきでない」と書かれている日本のサイトを見ても、その正当性を実証する研究などはどこにも見つけられませんでした。(とても興味があるので、どなたかご存知でしたら、教えて頂きたいです。)

もちろん、絵本のお話に入り込んでいる時に、やみくもに子どもに質問するのは私もあまり賛成しませんが、絵本を読み終わった後に、親子で絵本について会話を楽しむのは、私はとってもいいことだと思っています。

だって、子どもって絵本を読み終わった後、感慨深く絵本を眺めて余韻に浸っていることってありますか?うちの子たちの場合は、読み終わったら次々にまた別の本を持って来たり、子どもの方から感想を話してくれたりします。

今回のハーバード大学の研究で、絵本について子どもに質問を投げかけることは、言語能力や論理的な思考の向上にプラスに働くことがわかったわけですから、尚更、日本で定説ともなりつつある、「絵本は読んだら読みっぱなしにすべき」という考えを妄信するよりも、むしろ絵本についての親子の会話をもっと楽しむべきかな、と思います。

ちなみに、会話のポイントとしては

・子どもの気分を見極める(絵本について話をしたい気分なのか、もっと別の本を読んでほしいのか、余韻に浸りたいのか)
・一言二言で答えが終わってしまう質問ではなく、なぜ、どうやって、など、その答えから会話がふくらむような質問を投げかける
・「どう思った?」など、漠然と感想を求めるのはやめる
・子どもの答えを絶対に否定しない

などを気を付けたいところ。

私がよくする質問としては

・もし≪登場キャラクター≫だったら、あの時どうしてたと思う?
・どうしたら≪登場キャラクター≫は失敗しなかったんだと思う?
・あなたも≪絵本での出来事≫をやったことあるよね
・この後、どうなったと思う?

など。ママはどう思う?なんて話していると、本当に楽しいですよ。

こういう会話をすると、絵本の世界に浸るのを邪魔するどころか、むしろもっと絵本の世界に入り込めるような気がするのは、私だけでしょうか・・・。

参考サイト:"Why Dads Are Better Bedtime Story Readers"






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